どんな研究をしているの?

私の専門分野は、感染看護学です。感染看護学とは、感染症の予防や感染症にかかっている患者さん、そのご家族への看護、そして感染症を広げないための管理などについて勉強する学問です。私は、感染症の中でも、特にハンセン病と結核に重きを置いて研究しています。

なぜ感染症の研究を始めて、その中でも結核に重きを置いて研究するようになったの?

私は、はじめは研究者になるつもりはありませんでした。でも、大学病院で感染症病棟に配属されたときに、家族から、私自身が結核になったらどうするのか?と反対があり、結核病棟で働き始めてからは、結核への差別や偏見に悩まれている患者さんたちに出会いました。その経験から、結核に対する差別・偏見について調べてみたくなり、大学の教育機関で研究することにしました。

医学ではなく、看護学で感染症を研究することの強みは?

COVIDをはじめとした感染症に対する差別・偏見を軽減することで、看護職、医療者が働きやすくなる、患者さんの心のダメージが少なくなるということにつながると思います。

看護学の魅力ってどんなところ?

ある患者さんを看取った時に、看取る瞬間まで患者さんご本人とご家族に丁寧に寄り添う経験ができました。その患者さんの家族の一員になれたと感じられ、看護の醍醐味だと思いました。

森先生にとって看護学とは?

患者さんとご家族に寄り添いながら、心も体も支えていくのが看護学だと思います。例えば、結核であれば、差別・偏見とどう付き合っていくか?ハンセン病で目や手足を失った患者さんであれば、どのようなケアをしたら生活できるのか?顔貌が変わってしまって悲嘆に暮れている女性にどう関わっていくか?などです。