どんな研究をしているの?

私は助産師として赤ちゃんの肌を良い状態に保つためのケアについて研究しています。赤ちゃんの肌は、大人に比べて皮膚が薄く、様々な肌トラブルが起こりやすいという特徴があります。そのため、健康な赤ちゃんの肌のケア、赤ちゃんのアレルギー予防のための肌のケアなどを研究しています。

どのような経緯で研究者になったの?

大学で助産師の資格を取得した後、病院に4年間助産師として勤務しました。すごく楽しかったのですが、お母さんたちから赤ちゃんの肌のケアについて質問されても、学校で習った記憶も全くなければどう調べていいかも分からず、調べても、先輩方に聞いてもわかりませんでした。また、“エビデンス(明確な根拠)はなくても助産師の経験的にアドバイスできること“の伝え方が難しく、疑問をもつようになったため、大学院で勉強し始め、研究を続けています。

研究したことが社会的にどのような影響を与えているの?

日本の研究では赤ちゃんをお風呂へ毎日入れましょうと言われていますが、実は海外では、毎日入れると乾燥してしまうので、毎日入れないほうがいいと言われています。また、赤ちゃんのスキンケアでアレルギーを予防する方法については世界でも議論の最中です。研究途上の分野ではありますが、論文を発表したり、教科書を少しずつ書き換えていったり、看護師さん向けのセミナーを行ったりすることにより、少しずつより良いケアが伝わるように働きかけていくことができるのではないかと思っています。

米澤先生にとって看護学とは?

お医者さんが行う医学研究は、病気を治すとか、病気を予防するという視点が中心となると思うのですが、その一方で看護学は、どうやったら暮らしやすくなるか、どうやって生活していけばいいのかという視点で研究していく学問だと思います。